海の微睡み (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社 (2002年10月1日発売)
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那覇市から約40kmはなれた具志島と留久島に橋を架ける建設作業のクレーン運転手 原田健太は、宮崎県出身。
その12歳年上の矢口も同じ宮崎県出身で、建設現場の副監督のような立場。
留久島は、人口150人の小さな島。なにもない島が舞台となっている。島には、さまざまな言い伝えが残っている。

健太は、比較的大きな島 具志島にアパートを借りて生活している。
健太は、琉球大学海洋学科に受験に来て、落ちて、そのまま居残ってしまった。

健太は、休みの時は、魚釣りで時間をつぶす。
留久島で魚釣りをしていた時、偶然若い女性にであう。
「島の女」、20歳の美華である。
島で生まれ、育ち、そしていまは、スナック「ミカちゃん」を切り盛りしている。
美華は、小さな島で咲いた大輪の花のような存在。
たとえれば、ハイビスカスなのだろうか?
実にしっかりして、したたかな女性。
腕利きの漁師祖父は、海の漁で、行方不明。
父親は、すもぐり漁などをして、現在は、脳溢血で、那覇の病院へ。
母親は、那覇のスナックでホステスをしながら、父親の看病をする。

美香がスナックで出す料理は、沖縄独特のものだ。
「シュモクザメのソテー」
美華にいわれて、庭先のニラをつまみに行くが、大きなハブに遭遇する。美華は、手際よく、ハブのクビを切り落とす。
留久島は、ハブがおおい島で有名だ。

ふたりが一緒につりいった時は、1m近いガーラをつり上げる。
そして、健太は、悪戦苦闘して、ガーラを解体する。

会社側が主催して、ビーチパーティをした。
ふたりは、だんだんと親しくなる。
美華から、カザミ(蟹)がとれたからと電話がかかる。
急いでチャーター船でいくが、どういうわけか、矢口も顔を出す。
矢口は、一生懸命、女房と別れるといって、美華をくどく。

矢口と健太は、ケンカになるが、
矢口が、健太の運転しているクレーン車にタチションベンをしたことから、職場での熱も冷め、仕事をやめ、美華の家に転がり込む。
健太は、美香と結婚することをぼんやり考えるが、
どうしても、ハブが夢の中に出てくる。美華が、ハブに変身したりする。

父親が、危篤という話を聞いて、美華は急いで、那覇に向かうが、
その留守のスナックに、矢口と若い女性が・・・やってくる。
その若い女性は、時より健太が見かけるあか抜けした女性だった。
留久島のウチナンチュウーの教師だった。
その教師は、積極的に、健太に言い寄る。
そして、・・・・。事件が起こる。
知らない間に、健太にも嫌疑が、

島には入り込むヤマトンチュウ 健太は、
したたかな島の女 美華に翻弄され、
そして、ウチナンチュー女教師に、翻弄される。
あっという間に、迎えるエンディングは、
何ともいえぬ深い生活文化への意味がある終わり方である。

生活文化の違いは、こうも違った結末を迎えるものだろうか。
なかなか、ウチナンチューへの壁は厚いものである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 沖縄
感想投稿日 : 2013年2月12日
読了日 : 2013年2月12日
本棚登録日 : 2013年2月12日

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