山口県光市は、特殊任務を持つ基地だった。
野球の好きな男・・・
並木浩二(市川海老蔵)は、
甲子園で優勝し、明治大学の野球部で活躍していた
並木が海軍に志願し、・・・そこに配置された。
特殊任務とは・・・
『回天』・・・・ニンゲン魚雷。
私は、この回天のことを高校生の時に知り、
とてつもなく、衝撃を受けた。
神風特攻隊よりも・・・驚いた。
一体誰が、考えたのだろう・・・
という大きな疑問。
戦争の持つ底知れないニンゲンの恐怖を感じた。
その回天の物語を淡々と描く・・・
並木の澄んだ表情、回想のシーンで時折見せる笑顔、
青年の死に向かう苦悩が、内面で燃えている。
ただ、並木浩二(市川海老蔵)肩に力が入りすぎていて
ちょっと 息苦しい。
戦争がもうじき終わるだろうと思っていても・・
並木は、・・・・・
『ニンゲン魚雷を語り継ぐために死ぬ』という。
並木が
恋人の美奈(上野樹里;のだめ役だった)におくる・・・言葉
『僕がみることができなかったものを
君にみてほしい。
たとえば
今日の夕暮れの美しさを
たとえば
夏の海のきらめきを
たとえば
色づいた柿の赤さを
たとえば
雪で覆われた中野の街を
君にみてほしい』
『君に生きて生きて
もういやだと言うまで、生きてほしい』
横山秀夫の作品は 『半落ち』が優れていた。
そのことからみれば、『出口なき海』は、
戦争というものの視野を小さくしているような気がした。
少し、残念な作品といえる。
- 感想投稿日 : 2013年10月22日
- 読了日 : 2013年10月22日
- 本棚登録日 : 2013年10月22日
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