その色彩のあでやかなポスターに魅せられた。
蜷川美花監督・・・ということにも惹かれた。
以前、どこかのテレビで新進気鋭の写真家として登場して、
きっぱりした物言いに好感が持てた。
多分、思いっきりのいい映画になっているだろう・・・
と思ったのだ。
しかし、そのときは、見る時間がなかった。
DVDが出たので・・・やっと、見ることができた。
江戸時代 豪華絢爛の色合いを出すには・・・
大奥か 吉原遊郭 ということになるのだろう。
それで、吉原を設定したのかとおもった。
色彩感覚は、細部にわたって、丁寧に発揮されている。
かんざし、キセル・・・小道具が生きている。
金魚の使い方もうまい・・・
水の中をゆらゆら動く金魚は、アジア的な色彩なのだろう。
ただ、箱庭的色彩だった。
空がない・・・空間は、色彩が沈んでいく。残念だ・・・
最後の 菜の花畑と桜が出てきたのであるが・・・
それができるなら、もっと前に出せ・・・という感じだ。
もったいない。
木村佳乃と菅野美穂の花魁は、成熟した女性を感じさせる。
土屋アンナという女優をはじめて見たが、・・・・
身体の中から光が発しているようで・・・強烈だった。
それに、音楽がふわりと絡み付いてステキだった。
若衆の 安藤政信の ひかえめな身のこなしと・・・
すっきりとした表情は、みていても 日本があった。
サクラの使い方はうまかったが・・
ハスの花が、本物でなかったことは・・・興ざめした。
なんとしてもやはり、
ハスは柔らかで頼りなげな表情があってもっと生きるのであるが。
- 感想投稿日 : 2013年10月22日
- 読了日 : 2013年10月22日
- 本棚登録日 : 2013年10月22日
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