表情を表さないことが、大阪地検 不破俊太郎。
新米検察事務官の惣領美晴。
しかし、事務官が、これだけのことをいうことができるのかな。
警察署の証拠が紛失する。それが、大阪の警察署で起きている。
それを告発する 不破検事。
警察の体面を重んじる組織の隠蔽体質に、物ともせず乗り込む不破検事。
それについて行く 美晴。
大阪を舞台にしているが、大阪くささがあまり感じられない。
不破検事は、自分で、確実に 検証しようとする。
集中力があり、核心に迫る。聖域やタブーが存在しない。
長いものにもまかれない 孤高の精神。
面白いが、面白みに欠ける。美晴の成長で、どう変わるのだろうか。
喜怒哀楽を表さない美晴になったら、ますます面白くなくなるだろう。
御子柴礼司の背負っているものとちょっと違うなぁ。
表情を表さないというモデルでは、限界があるのでは。

2020年2月10日

読書状況 読み終わった [2020年2月10日]
カテゴリ 警察/司法
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普通な少年だった 園部信一郎。
14歳の時に、5歳の少女を殺し、バラバラにして、
郵便ポストの上に生首を置いたりした。「死刑配達人」と呼ばれた。
その事件は、日本の社会に衝撃を与えた。
その時の家族は、ほとんど、会話がない。家族と言えないものだった。
そして、医療少年院に行って、稲見教官に出会うことで、人生が変わる。
償うことで、生きていこうとして、弁護士になり、御子柴礼司となる。

30年間音信不通だった 妹 あずさが、お母さんが偽装自殺の殺人罪
で捕まったから、弁護士しろという。
反社会勢力の顧問弁護士をして、お金次第で無罪放免とする御子柴礼司。
母親を助けることではなく、依頼人として、弁護を引き受ける。
母親とは何か?家族とは何か?そして、
自分の犯した罪の血は母親の中にも流れているのか?
冷徹な御子柴は、自分と自分の過去に向き合わざるを得なかった。

母親は、資産家の人と再婚をして、その人が自殺した。
その自殺は、偽装であり母親の犯罪として捕まった。
それを遡っていくと、父親も 首をつって自殺したのだった。
同じような事件の中で、真実はなんなのか?
滑車と首を締めたロープに付着した肉片のDNAは、母親のものだった。

御子柴は、再婚相手の夫と母親を調べる中で、真実を明らかにする。
うーむ。面白い。御子柴礼司の葛藤が、重曹感がある。
妹との会話も、なんとも言えないものがある。
御子柴礼司の覚めた強靭な精神が、素晴らしい。

2020年1月23日

読書状況 読み終わった [2020年1月23日]
カテゴリ 警察/司法

原作に忠実で、御子柴礼司は 三上博史でよかった。
過去の事実を、暴かれた時に 過去のことと言い切る。
それでも、自分の中では、過去のこととは言えない状態の
表情の作り方が、実に 巧妙でうまく作られていた。
ベートーヴェンのピアノ曲で、大きく変化していく。
そこに、何を見出したのか?

母親と身体障害者となった息子の関係が、
浮かび上がっていく。
法廷での実証の仕方は、実にこ気味が良い。
殺意の不存在で争うが、実際の殺意は別のところにあった。
リリーフランキーの刑事役で、味わいが深まる。
性悪説のまま、人を見下すのであるが、
それでも、贖罪をし続けている 御子柴を見守る。

理由なき殺人、動機なき殺人を、どう昇華していくかが
この物語の中心となる。

2019年8月29日

読書状況 観終わった [2019年8月29日]
カテゴリ 警察/司法

原作を読んで、面白いと思った。
DVDになっているのを知って、アマゾンで取り寄せた。
果たして、原作をどう表現するか?
原作で思い浮かべた岬洋介とは違って、明るさがあった。
ピアノに立ち向かう姿勢も、すっきりしていた。
岬洋介の清塚信也は、ピアニストだったのか。どうりで。
こうやって、新たな才能を見るのは楽しい。

橋本愛は、やはり声質が良くないなぁ。顔と声のアンバランス。
ダミ声のような、しゃがれた声は、火傷を負っているからか。
それにしても、驚異的な回復力。そして、指が動かない時の表情。
雰囲気が出ているが、そのヒロインの役柄まで、演じきれない。

お手伝いさんの熊谷真実が、もっと演出されないと可愛そう。
名古屋の音楽学校の校長と先生は、いい味を出していた。
ストーリーがわかっていると、アラが目立つものですね。

2019年8月26日

読書状況 観終わった [2019年8月26日]
カテゴリ 歌/音楽/アート

いやはや、御子柴礼司の弁護士は、面白い。
これで、3冊目だ。一つの形が、明確化している。
本当に、日本の弁護士のクオリティが、悪くなっている状況の中で、
贖罪とは、何を意味するのか?
法で裁かれるとは、何を意味するのか?
ということを、常に問い続けている。
自分という存在を理解しながら、自分を光に導いてくれた恩人。
父親以上に父親だった 稲見教官。

その教官が、医療介護ホームで、殺人事件をして
言い争い、殺意があって殺したということを、
御子柴礼司が、弁護するために、弁護士を脅してまで、
担当弁護士になろうとする。
それにしても、事務員の洋子さんが、健気だ。

そしてでてくる、介護の現場の暴力。
弱いものをいじめる。
その中で、殺意は存在せず、緊急避難という主張で
弁護を組み立てていくが、稲見教官が 信念を曲げない。
昭和の価値観で生きている。男としての矜持。
なんのために、弁護するのかを悩む 御子柴礼司。
最後に、倫子ちゃんの手紙が、泣かせるなぁ。

2019年8月20日

読書状況 読み終わった [2019年8月20日]
カテゴリ 警察/司法

御子柴礼司と検事 岬恭平との裁判闘争。
このやり取りのうまさに、驚くばかり。
準備書面を出さないことで、法廷闘争を行う。
確かに、準備書面を出せば、面白みがなくなる。
「法律とは、罰則こそが秩序安寧の根幹だ。
どんな悪事もいずれは露見し、裁きを受けた上での相応の罪を与えられる。
その認識が秩序に直結する」と岬検事はいう。
谷崎弁護士会長は、御子柴を後継者と考えている。
宝来弁護士の担当している事案を御子柴は、宝来の非弁行為を列挙して譲らせる。
非弁行為は、日弁連の規定に抵触する。
宝来法律事務所は、弁護士2人に140人の事務員を抱えている。
過払い金返還請求など債務整理を専門とする。
御子柴のターゲットは 世田谷の津田伸吾殺人事件。被告は妻。
被告人が全面自供して、15年の懲役が決まり、量刑だけを争っていた。

津田亜希子は、全面自供をしているが、かくされたことがあった。
津田伸吾の父親要蔵は、教師で、現在は引退して、民生委員をしている。
津田伸吾は、開発部長であったが、
倒産し、しがないデイトレーダーとなっている。
負債額が、6000万円にのぼる。そして、引きこもり状態。
津田伸吾は、家庭内暴力を振るう。
二人の娘がいて、姉と妹の倫子。倫子はきちんとしつけられていた。
亜希子は守るべきものがあった。
そして、亜希子には、過去のトラウマがあり、精神的な病を持っていた。
それを御子柴礼司が、看破して、見事亜希子を無罪にする。
しかし、真実は、残酷な結果を生み出すこととなった。
途中で、亜希子が守るべきものは何かがわかったが、
もう一つの謎が、実に御子柴とつながっていたことに
流石のエンターテイメントとおもう。
被告が、嘘をつき続けても、守ろうとする御子柴。
弁護人の直感が、事件の姿をあきらかにして、
被告人の全面告白で、捜査が曖昧になっていく。
岬検事は徹底して、現場を読み切るが、事実には争えなかった。

2019年8月17日

読書状況 読み終わった [2019年8月17日]
カテゴリ 警察/司法

双子の優衣と麻衣。
二人は、とても美しい。
となりの家の淳平は、同じ年。
一卵双生児で、見分けがつかないが、
淳平だけが、見分けられた。
双子は、淳平が好きだった。
淳平の兄 省吾も、双子が好きだった。
どちらかを譲れと淳平に迫る。

阪神大震災で、二つの家族は、淳平と
優衣だけが生き残った。
淳平が、優衣を助け出したのだ。
そして、優衣は、おばさんのところへ。
連絡が取れなくなった。
ここまでは、中山七里らしくない、
ベタな下手な物語。

淳平は、検事となり東京特捜部にいた。
そこでマークした新進気鋭の政治家 是枝孝政。
父親は、清廉潔白な政治家。
その息子の政治家の秘書が、優衣だった。
震災孤児を支援するNPO法人が、
政治資金を集める組織ではないかと
潜入して調べる淳平。
あっけなく、特捜部の検事だとバレる。
それでも、物語を紡ぐが、
非現実的な検事の行動が、物語を薄っぺらくしてしまう。
優衣は政治家の愛人に。そして優衣との焼けボックリ。
阪神大震災、関東大震災そしてアルジェリアのテロに遭遇する。

民主党の失敗と自民党の復活。
民主党の不甲斐なさをうまく表現する。
その中で、小泉純一郎みたいな政治家が、
善意を装って、闇の資金を扱う。
着想は、面白いが。

2019年8月17日

読書状況 読み終わった [2019年8月17日]
カテゴリ 警察/司法
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御子柴礼司は、切れ者の弁護士だった。
お金をぼったくる弁護士でありながら、
国選弁護士も引き受ける。
金のためだけではなく、違う目的を持っていた。

それは、14歳の時に、5歳の少女を殺し、バラバラにして、
郵便ポストの上に生首を置いたりして、死刑配達人だったのだ。
「誰でもよかった。殺したかった。」という。
ある事件を思い出させるようなシチュエーションである。

その殺人犯は、医療少年院を過ごし、そして弁護士になったのだ。
名前も 園部信一郎から、御子柴礼司という名前に変えて。
弁護士には、品格、人格の試験がない。試験に受かればいい。
この指摘は、まさにこの間たくさんの弁護士に会ってきたが、
まさに、品格や人格にも劣るような弁護士がいることだった。
お金目当ての金儲け主義の弁護士は、掃いて捨てるほどいる。

この御子柴礼司が、保険金目当ての殺人事件として扱われている
木材工場の経営者の妻を弁護しようとする。
トラックから、材料が落ちてきて、経営者が怪我をする。
人工呼吸器をつけざるを得ないほどの重病人だった。
母親は、人工呼吸器をストップさせたことから、疑われ、
さらには、事故の起こる10日前に、3億円の掛け捨て保険を
かけていたのだった。
また、息子は重度の障害者で、片腕しか動かせないが
それを駆使して、工場のオートメ化をしていた。
経営が苦しい上に、月に10万円を超える掛け捨てが、
大きな問題となり、殺人の判決を 高等裁判所で決定され
最高裁で、争われることとなった。

古手川刑事を教える立場のベテランの渡瀬刑事。
御子柴からは、ドーベルマンと言われる。
要注意な人物で、徐々に 御子柴礼司の素性を明らかにしていく。

御子柴礼司の転機を迎えてのが 医療少年院で
ベートーヴェンのピアノ曲の奏鳴曲を聞くことで、
身体の大きな地殻変動が起こった。
このシーンが、実に 中山七里 らしい筆運び。

この悪徳弁護士のシリーズは 面白そうだ。 

2019年8月17日

読書状況 読み終わった [2019年8月17日]
カテゴリ 警察/司法

時価2億円のチェロ ストラディバリウスが盗まれる。
事件は、そこから始まる。
学長のピアノも水浸しとなって、使い物にならなくなる。
ピアノを心得たものの仕業。
岬洋介の遠くから徐々に近づいていく手法は、
なるほどと思わせ、犯人も見つけ出してしまう。
オーケストラを、オーケストラに仕上げていく。
なるほど。そして ラフマニノフの名曲を文字で表していく。
目で読みながら、耳で曲を聴いているような錯覚が起こる。
この才能が、素晴らしい。

愛知県や岐阜県が舞台になるというのも、いいなぁ。

2019年5月20日

読書状況 読み終わった [2019年5月20日]
カテゴリ 歌/音楽/アート

岬洋介が、ある田舎の高校の音楽科に転校してきた。
音楽科は、普通高校よりも、勉強ができないから入る人もあり、
必ずしも音楽が好きとは言えないところがあるが、
音楽好きな生徒もちゃんといた。
そして、岬洋介が、ピアノをクラスメイトの前で、
弾くことにより、その才能のすごさに、みんな唖然とする。
相手にならないのだ。比較にならないのだ。
そして、クラスメイトの変化をほとんど感じず、
音楽ということだけを考えている岬洋介だった。

音楽という神様は、努力するだけでは得ることのできない
才能を 岬洋介に、授けているようだ。
高校の校舎が、山を切り開いたところに立てられ、
大雨が降ることで、土砂が崩れ落ちる。
岬洋介は、土砂降りの雨の中で、クラスメイトを助けに
救助を呼びにいくが、日頃 岬洋介をいじめていた高校生が、死体となって発見された。

岬洋介は、みんなを助けた英雄だったが、
殺人の容疑をかけられるのである。
そのざわつきの中で、音楽教師の棚橋先生の
苦渋に満ちた 言葉の数々。いやはや、素晴らしい先生だ。
現実を正しく見据えることを、堂々と言い切る。
それは、音楽の才能にざさつすることによって
得た自分なりの音楽観なのだ。
このメッセージが 実に深いので、
また違ったものを見出すことができる。

2019年4月19日

読書状況 読み終わった [2019年4月19日]
カテゴリ 歌/音楽/アート

5年ごとに開かれるショパンコンクール。
ポーランド生まれのショパンは、ポーランドの宝。
世界的になったショパンが、その国で独自に発展する。
ロシアでは、ロマンチックな表現に。
日本は、譜面に従順な ロボットのような演奏。
そして、ポーランドのヤンは、4世代続く音楽家族の生まれ。
父親とポーランド人の期待を一身に背負う。
ポーランドの心を表すことができるのが、
ポーランド人でしかないと思っている。
ショパンコンクールが、どんな意味があるかが
疑問として、起こるのだった。
フランス人の軽やかさ、アメリカン人の陽気さ。
盲目のピアニスト榊場、岬洋介の演奏によって、
ヤンは、自分の中で大きな変化が起こる。
それは、ショパンを超える演奏によって成し遂げられる。
人間の成長を したたかに描き切る。
ショパンのピアノ曲の説明が、素晴らしい。
文字で、音楽を聴いているような気分になる。あっぱれ。

2019年4月10日

読書状況 読み終わった [2019年4月10日]
カテゴリ 歌/音楽/アート

面白い。ピアノの弾き方の説明が、プロ的。
ピアノのことはよくわからないが、なるほどという説得性がある。
全身火傷した 香月遥。ピアニストを目指す16歳。
岬洋介という天才ピアニスト。
検事の息子で、司法試験に受かるが、ピアニストになる。
そして、おじいさんといとこが焼け死した。
遥自身も、全身やけどするが、復活していく。
形成外科医の新条先生が、皮膚移植をして、
奇跡的に助けるが、精神的には 岬洋介が支える。
父親の平凡に徹した銀行員、おじさんのグータラ性。
おじいさんは、12億の財産があったのだ。

音楽の特待生であるがゆえに、
回復したら、ピアノコンクールにでる。
学校でのいじめ、校長のたくらみ、そして、マスコミの執拗なインタビュー。
榊間刑事の したたかな追求。

そして、母親の死から なぜその事件が起こったかが
解明されていく。

2019年4月4日

読書状況 読み終わった [2019年4月4日]
カテゴリ 歌/音楽/アート

『君は死体が好きか?』
新米研修医 栂野真琴は、准教授キャシーに質問される。
この質問が、『ニンゲンはウソをつくが、死体はウソをつかない。』
ということにつながっていく。
献体でホルマリン漬けの死体解剖と
法医学としての死体解剖は まったく違う。
法医学教室のボス 光崎藤次郎教授は、
アメリカでは 有名な教授であり、キャシーはあこがれて、
はるばる 日本にやって来たのだ。

真琴は、突然の質問に 窮して答えることができない。
それでも、解剖する死体に向き合うことで、徐々に
光崎の言うことが 理解して 感化されていくのである。

①河原で 低温に当たり 死んだオトコ。
喉に サイネリアの花粉を見つけることに。
②6歳の女の子が 電話して 解剖してと頼まれる。
交通事故の原因とは。
③モーターボートのレースの最中における衝突事故死。
④真琴の同級生 裕子は マイコプラズマ感染症だった。
それが、転倒して 死んでしまった。
⑤病院で 腹膜炎で、死んだ10歳の少女。
その五つの死体は、共通した 原因があった。
それを 光崎が 明らかにすることで、一体何が原因なのかが
明らかにされる。
始めは 短編集だとおもったが つながりがあった。

海堂尊が AIについて かなり突っ込んでいたが、
ここでは、警察も病院も予算がないと言うところで、
さりげなく アピールしている。
この医療情報に関する知識は 並大抵ではない。

2016年10月2日

読書状況 読み終わった [2016年10月2日]
カテゴリ 医療/薬草/漢方
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