ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

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本棚登録 : 9287
レビュー : 891
著者 :
マーキス@ショスタコーヴィチPさん  未設定  読み終わった 

ぞっとする、という印象であった。

怖さというのは、ホラーというより無限のマトリョーシカというようである。
マトリョーシカを開けるとマトリョーシカを開けている人間の姿が見える、しかしそれはどうみても自分の姿であるのだ・・・というような。

たしかにミステリーであるのだが、話が脱線につぐ脱線。
わずかな伏線を繋げば、全体像は掴めそうであるが、その全体像も果して本当なのか・・・?ということだ。ドグラ・マグラという作品が、「狂人の解放治療」の一環として出てくるあたり、作品全体がすべてウソである可能性すらある。

ちなみに、純科学的な目線で見ると、「心理遺伝(細胞記憶)」というのは、基本的にあまり支持されている学説ではないそうだ。しかし内容を読めば分るが、まったく無下にできるものではない、そんな気はした。
作中の正木博士が唱える「なんで外科や内科は薬で治せるのに、精神だけは閉じ込めるのだ?医者の胸先三寸で症状が決まってしまう」という主張はなんとなく分る気がした。いまも精神疾患への偏見はまだあるだろう。

レビュー投稿日
2018年5月3日
読了日
2018年3月31日
本棚登録日
2018年4月15日
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