ソ連経済の歴史的転換はなるか (講談社現代新書 1037)

  • 講談社 (1991年1月20日発売)
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感想 : 2
5

題名からすると少しキャッチーな感じがする本であるが、かなり骨太であった。
発行が1991年1月とあり、まだソ連が解体していない時代に出ているのでまだ改革の余地があったと考えているのであろう。

徹頭徹尾、ソ連という国のデタラメ加減がよく分かった。5カ年計画の経済成功はやはり経済外強制とも呼べる強制労働の賜物でしかなく、とても経済発展しているとは呼べないこと。またGDPデフレーターの計算自体も1930年代からやめてしまっていたこと、などなど、とにかく無理のあることをしていたのだなと思った次第である。
なにより民間の銀行自体を潰して全て国営銀行(ゴスバンク)にしており、物質的豊かさを多少享受していたのに根絶やしにされてしまったなど、まず計画経済自体の有用性を問わざるをえないと思っている。まずなにより全てを国営企業で行うこと自体が、あまり成功した事例を私は知らない。
またマルクス自体も、計画経済自体に言及しておらず、あまりノウハウがなかったことも原因だろう。

また生活水準も低い。1990年のモスクワの物価は、東京より高いと言わざるを得ない。それによる年金も安いし、飢餓寸前。医療も粗悪でベッドや医者が足りない、住居も不足しているなど計画経済のでたらめさがよくわかる。

ソ連とはそういう国であった、それを知るにはちょうどいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年12月31日
読了日 : 2011年12月31日
本棚登録日 : 2011年12月31日

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