ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年6月1日発売)
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感想 : 206
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ローマが共和制になってから、イタリア半島を統一するまでの物語。
このあたりから、アレクサンダー大王のif(もしもアレクサンダー
大王が東ではなく西に進んでローマと対決していたら)や、
アッピア街道が検察された背景、財務官アッピウス、戦術の天才
ピュロスなど、政治システムとそれに関わる人物がより
描かれるようになっており、物語として読むことができた。

イタリア半島統一までの物語を読むにつれ、
「ひとまずの結び」で塩野七生氏が述べている、
「古代のローマ人が後世の人々に残した真の遺産とは、
広大な帝国でもなく、二千年経ってもまだ立っている遺跡でもなく、
宗教が異なろうと人種や肌の色がちがおうと同化してしまった、
彼らの開放性ではなかったか」
というローマ評が実に的確であると言わざるを得ない。

偏狭なナショナリズムはいずれ行き詰まりをみせる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(歴史小説)
感想投稿日 : 2014年1月28日
読了日 : 2014年1月27日
本棚登録日 : 2014年1月14日

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