ぼくは落ち着きがない

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本棚登録 : 573
レビュー : 132
著者 :
大吉さん 小説   読み終わった 

実は初めての長嶋有です。買取でやって来た本が気になり手に取りました。こういう出逢いも面白いものです。
とある高校の図書部の日常。図書委員でなく図書部。図書室にまつわるあれこれを図書委員とともに行ない、図書室を区切ったスペースを部室としてたむろする。皆それぞれ「ふつう」の高校生でありながら、クラスからはどこか「浮いた」存在。部室の中では部室の中での「ふつう」を得られるが、そこでも「役割」を演じるともなく演じる。自分の立ち位置というものだけでなく、ちょっとした受け答えの仕方などにも瞬間的に反射的に演じている。
図書部といっても部室ではまんがを読んだり携帯電話をいじったり。行き着く場として図書部があり、そのため部活の掛け持ちのものもいるというのは、遥か昔の高校生時代を思い出し、そうだったよなあと懐かしい感傷に浸る部分もありました。もしかすると青春小説というものは、そんな大人の感傷の受け皿としてあるのかも。
ひとりの女子高生の視点で描かれながらも、不意に不登校を宣言するもの、浮いた集団の中で浮いてしまうもの、将来に思いを馳せるもの、集団を冷ややかに見ながら集団から離れずにいるものなど、それぞれの思いが淡々と交差します。いや交差せずバラバラに飛び交っていたのかも。しかしひとりの視点で追えなかったものをカバー裏で明かすという飛び道具的なオチ付きで。はて、この部分は文庫ではどうなっているのだろう?

レビュー投稿日
2017年1月29日
読了日
2017年1月29日
本棚登録日
2017年1月3日
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