A Pale View of Hills (Vintage International)

著者 :
  • Vintage (1990年9月12日発売)
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感想 : 3
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「日の名残り」や「私を離さないで」で有名なイシグロカズオの初期作。
古本屋で売ってたのを偶然発見して手にとりました。書かれたのは私が産まれる前だそう。
うわの空のような会話から、身体の奥での心の揺れが感じ取れる。ほかの作品を読んでからだからこそ、感じることも多かったように思います。


これは戦争の話ではなくて、戦後の話。復興が形を見せ始めたころの、長崎。
誰もが行く先に希望があると信じて、痛みを隠して懸命に生きた、戦後の長崎。
原爆っていう人類最大の暴力に多くを失った女たち、その微笑には、私たちからすれば不気味なほどの必死さと、戦争の亡霊が棲んでいた。
戦争が起きても兵士にはされないだろうこの時代の自分には、残された者の希望のありどころが、生々しく感じられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説(洋書・和書混同)
感想投稿日 : 2009年11月22日
読了日 : 2009年11月22日
本棚登録日 : 2009年11月22日

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