運動や視聴覚って、脳内ではわりと臨機応変に処理されるんだな、というのがこの本から新しく得た印象。別の脳細胞でも、機械でも、信号さえ繋げちゃえば学習で自然に扱えるようになっちゃうもんらしい。
ところで、この本の本領発揮は後半から。医学の闇や倫理について語られていて興味深い。特にロボトミーの話とか。色々な本に脳の機能解明への貢献が書かれているけど、普通に考えると変なんだよね、第二次大戦前に前頭葉切裁術とか。人体実験でノーベル賞をとった歴史を精神外科の重篤な過ちとして説明してるし、現代の抗鬱剤と医療ビジネスの問題についても触れてる。この人自身は脳の研究という立場から倫理的問題について真摯に考えぬいてきた人なんだな、と感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
脳神経・認知
- 感想投稿日 : 2014年8月23日
- 読了日 : 2014年8月23日
- 本棚登録日 : 2014年8月19日
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