思い出のマーニー (新潮文庫)

  • 新潮社 (2014年6月27日発売)
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感想 : 131
5

英語でのタイトルは"When Marnie Was There"。

これを『思い出のマーニー』と訳すのって、すごいと思った。私だったら『マーニーがいたとき』だな(笑)

マリアンナという名前もよく考えられていると感じた。

※映画では違うけど・・・。映画版はアンナが日本人で場所は北海道の設定。

「スペイン風の響きもあって・・・」と書かれていたが、marine(海の)という意味もあるのだろう。Marnieはmarineのアナグラムだし。

みんなは「内側」にて楽しんでいるが、アンナは「外側」にいる・・・そうだ。「内側」「外側」というのはよくわからないけれど、すぐにグループ化する女子たちについていけず、常に独りでいるような状態はよくわかる。私もそうだった。特に小学生のときは・・・。

アンナはリンゼイ一家と仲良くなり、「内側」にも入れるようになるが、これまで関わってきた周りの人たちの何がいけなかったんだろう。プレストン夫人は心配性すぎて、なんか嫌なのはわかるけど(笑)ペグおばさん・サムおじさんは割とほったらかしにしておいてくれたはずだ。

「じゃあ、結局だれがいけなかったの?」眉をひそめて絨毯を見おろしながら、ジェインが訊いた。「だれとも言えないわね、それは。」ギリーは答えた。「あなたもわたしくらいの歳になると、これはだれそれの責任、あれはだれそれの責任、って言えなくなると思う。長い目で見ると、責任のありかはそうはっきりしなくなるから。責任はどこにでも押しつけられるだろうし、どこにも押しつけられないかもしれない。どこから不幸がはじまるか、なんてだれにも言えないんじゃない?」
p335・336より

・・・こういうことなのだろうか。

初めて会う子にも関わらず、すぐに「内側」に入れてくれるようなおおらかさ、寛大さ。私もリンゼイ夫人のようなお母さんになりたい(*´∀`*)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年6月13日
読了日 : -
本棚登録日 : 2015年6月13日

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