ジャンゴ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2000年10月24日発売)
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本棚登録 : 216
感想 : 23
3

【本の内容】
哀しく、それでいて熱い旋律。

沢村がつま弾く音に、麗子が目を付けた。

麗子は沢村が世話になっているヤクザ者・山城の溺愛する妹だった。

麗子は美女の自殺志願者だった。

そして、麗子は悪魔だった―。

沢村はたった一度の麗子との快楽の代償として、ギタリストの命である指を失った。

そればかりか巨大な野獣にいたぶられ、人間としての尊厳をも失った。

すべては麗子の罠だった。

沢村を指の動かない天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトにするための…。

男女の、兄妹の、粘り付くような濃い愛憎を、物語を通して描き切った花村文学の真骨頂。

[ 目次 ]


[ POP ]
下劣な暴力と欲望を大きなモチーフとしながら、この気高さは一体何なのか。

悪魔そのものの麗子が哀しい神に思えてくるのはなぜなのか。

食わず嫌いをしてきたが、なるほどこれが花村萬月の魅力なのであろうと納得。

吐き気のするような暴力行為のあとで、同じ人物の繊細な心象がえがかれ、悲痛なドラマのあとで、第三者の醒めた目がその感傷を笑いとばす。

そうしたバランスのとれた視点の移動が全編をつらぬき、非現実的なストーリーと登場人物に感情移入を許す。

世界の汚いものをすべて浄化したあとの、ちぎれるような痛みを想像させる美しい小説だ。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ワンコイン文庫(角川文庫)
感想投稿日 : 2014年10月5日
読了日 : 2014年10月5日
本棚登録日 : 2014年10月5日

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