すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2008年4月15日発売)
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本棚登録 : 162
感想 : 28
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【本の内容】
「荒療治ですが、裸を晒すということは、一度自分をリセットするのに打ってつけでした」

家族の愛情に飢えて育ち、底なしの寂しさを抱えてAVという世界にたどり着いた、あたし。

「人を好きになりたい」と過激なカメラの前に立つ。

人気AV女優が、自らの生い立ちを繊細な筆で綴った、ソウルフルな自伝の書。

[ 目次 ]


[ POP ]
思いを言葉にすることは難しい。

だが、50本以上のアダルトビデオに出演した人気女優はこの自伝の中で、確かな手応えのある言葉で、自身の思いを語ることに成功している。

たとえば中学時代、帰りぎわの学校の玄関で、好きな人とすれ違うだけで満足していた自分を、〈脳内自慰行為という安全圏からは離れられない。自分でこしらえた殻の中は温かい〉と振り返り、AV女優になって学んだことを、〈信じるには、まず先に覚悟することだ。そして諦めないこと〉としたためる。

その感性を育てたのは、彼女のまっすぐな生き方なのだろう。

過酷な撮影現場の描写には、目を背けたくなる部分もある。

が、仕事に誇りを持ち、全力を尽くす姿は美しい。

故郷・秋田で一度は決別した飲んだくれの父と東京で再会し、少しずつ許せるようになっていく様は、人生にふいに現れる希望の灯のようでもある。

懸命に生きようとする生身の人間の声が、そこに響く。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ワンコイン文庫(講談社文庫)
感想投稿日 : 2014年8月24日
読了日 : 2014年8月24日
本棚登録日 : 2014年8月24日

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