小林多喜二名作集「近代日本の貧困」 (祥伝社新書122)

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  • 祥伝社 (2008年7月25日発売)
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感想 : 4
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プロレタリア作家小林多喜二の作品集。2中編、4短編、1戯曲、3評論を収録。資本主義下での抑圧の在りようは、今も嘗ても大差ないようだ。資本主義や帝国主義戦争への批判は今なお当を得ているに違いないが、しかし多喜二が描くような運動が当時と同じ情熱で現代に蘇ることは最早在り得ないように思う。左翼運動を扱った作品を読むたびに、"運動的なるもの"への嫌悪が思い出される。全ての価値を革命成就への効用で計る政治的還元主義、そこから派生する禁欲主義。連赤事件にも通じる、非人間的な暗さが嫌なのだ。現代には現代の抵抗運動の姿が在るはずで、それはとにかく陽気で愉快なものでなければならんと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2011年3月27日
読了日 : 2010年5月30日
本棚登録日 : 2011年3月27日

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