ウィトゲンシュタイン家の人びと: 闘う家族

  • 中央公論新社 (2010年7月1日発売)
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感想 : 9
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今夏ウィーンを訪れた際、一番印象に残ったのがクリムトを中心としたウィーン分離派のセセッション館(黄金のキャベツ)。この美術館の建設支援をしたのがユダヤ系大富豪カール・ウィトゲンシュタイン。
本書はカールの9人の子供(と子孫)についての評伝だが、主に戦争で右腕を切断された後も片手ピアニストとして活躍した四男パウルを中心に語られる。
一般には、五男の天才哲学者ルートウィヒが有名だが、この一家が、こんなにもエキセントリックだったとは全く知らなかった。
ナチスの時代にウィーンに残された家族の必死の脱出劇は手に汗にぎるものがあり、兄弟姉妹の愛憎劇も、それぞれの性格を考えると回避できなかったのも仕方がないとは思うが、各人の人生があまりにも波瀾万丈過ぎること、家族の中にあまりにも自殺者が多いことに驚きを隠せなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評伝
感想投稿日 : 2014年11月24日
読了日 : 2014年11月24日
本棚登録日 : 2014年11月14日

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