今夏ウィーンを訪れた際、一番印象に残ったのがクリムトを中心としたウィーン分離派のセセッション館(黄金のキャベツ)。この美術館の建設支援をしたのがユダヤ系大富豪カール・ウィトゲンシュタイン。
本書はカールの9人の子供(と子孫)についての評伝だが、主に戦争で右腕を切断された後も片手ピアニストとして活躍した四男パウルを中心に語られる。
一般には、五男の天才哲学者ルートウィヒが有名だが、この一家が、こんなにもエキセントリックだったとは全く知らなかった。
ナチスの時代にウィーンに残された家族の必死の脱出劇は手に汗にぎるものがあり、兄弟姉妹の愛憎劇も、それぞれの性格を考えると回避できなかったのも仕方がないとは思うが、各人の人生があまりにも波瀾万丈過ぎること、家族の中にあまりにも自殺者が多いことに驚きを隠せなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
評伝
- 感想投稿日 : 2014年11月24日
- 読了日 : 2014年11月24日
- 本棚登録日 : 2014年11月14日
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