思考の整理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房 (1986年4月24日発売)
3.70
  • (1758)
  • (2740)
  • (2703)
  • (518)
  • (136)
本棚登録 : 33273
感想 : 2774
4


目標がはっきりしているところでは、グライダー(自力で飛べない)能力が高く評価される。
ー 「コンピュータ」の出現により、創造的な能力が求められてきている。

※ 新しい文化の創造には想像的な能力が必須。
すぐには教えず、「教え惜しみ」をする。
→ 学習意欲を高める

<メモ>
問題作成能力があり、“なぜ” を問うこと。
朝考えることと夜考えることはかなり違う。現実的な知恵を使う。
人間は意志を働かせ、無理をする。自然の理に忠実にする。

思考の整理とは?
 考えをあたため、寝かせること。忘れる時間をつくること。
 ー 主観や個性を抑えて、頭の中で自由な化合が起こる状態を準備する。無心の境。
 ー 立体的、質的な統合。
 ー 究極は名詞を主とした表題

<メモ>
無意識の思考が大変優れている。
ものを考える人間は、自信を持ちながら、あくまで謙虚である必要がある。
調和折衷
 諸説を照合し、新しい調和を考える。「全体は部分の総和にあらず」
知のエディターシップ
 知識をいかなる組み合わせで、どういう順序に並べるか?
セレンディピティ
 目的としていない副次的に得られる発見
持続的な価値
 ー 時の試練、忘却のふるいを超える
 時間の持つ風化作用をくぐること
ピグマリオン効果
 ー 根をもったほめ言葉でうまく行く様

収穫逓減の法則
 資本と労力の増加につれて生産高は上がるが、ある限界に達すると
生産が伸びなくなっていく現象を支配する法則

<言葉の流れ>
言葉は静止しているのに、文章を読むと、意味に流れが生じる。
切れ目のある言葉と言葉が合わされているのに、ひとつらなりのものとして理解される疑問。
 ヒント: 残像作用、慣性の法則
⇒ 文章の不連続の連続を支えている修辞的残像。
「忘却」の重要性
 ー 新しいことを考える能率をよくする

<メモ>
一瀉千里に終わりまで書き、全体を読み返し、推敲する。ゆとりを持って、工夫を凝らせる
専門に囚われない。インブリーディング(近親結婚)は、新しい思考には向かない。
対策例: スコットランドの月光会
知識とは、心掛け次第で、自然にまとまるもの。 “従僕に英雄なし”
中国の「科挙」文章を綴る能力が試験
拡散的作用と収斂的作用

<三上>
1. 馬上 : 通勤電車の中
2. 枕上 : 床の中
3. 厠上 : トイレの中
第一次的現実: 物理的現実
第二次的現実: 頭の中の現実

<知的活動の3つの種類>
1. 既知のことを確認する
2. 未知のことを理解する
3. まったく新しい世界に挑戦する
<思考的読書のすすめ>
 想像力、直感力、知識を限界まで総動員して“自分の解釈”に至ること
 ー 想像力と直観の飛翔によってのみ捉えられる“発見” 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年3月4日
読了日 : 2019年8月7日
本棚登録日 : 2016年8月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする