W/F ダブル・ファンタジー

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年1月8日発売)
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本棚登録 : 2060
感想 : 371
4

なんか濃いものが読みたいなと思って借りた本。

開いてみればそれは官能小説でした。

セックス描写が多いものは久しぶりに読みました。最初の浮気相手(出張ホスト除く)、志澤はいかにも肉食な男性。相手をひれ伏させるタイプ。
次の岩井はロールキャベツ男子。奈津に対する気配りとかがすごく女性受けがよさそう。私もこの中では岩井が一番好きですね。旦那さんにしたいタイプですね。浮気は困るけど。志澤の次の相手として奈津の心と身体を癒す人でした。
坊さんやらなんやらはおいといて最後の大林。これはまだつかめない。だから奈津も大林にとらわれはじめたのではないでしょうか。

夫の省吾との擦れ違い。省吾にはきっと悪気はないんですね。だからこそ奈津を苦しめもする。好きになれない夫だとは思いましたがだからといって奈津を愛していないわけではない。
別居を始めて、たまに省吾のことを思い出しはするけど私は犬のハヤトも思い出してほしかった。一緒にいるのが環だからって、ハヤトのことを忘れないでほしいなぁ。

志澤を振り切ったと思ってさえやはりどこかで志澤の影があった奈津。
奈津が夫のもとへと去ってゆくきっかけを与えただけに特別な男性だったのでしょうか。それとも彼のあの攻撃的なところに女は惹かれるのでしょうか。

最後に岩井が変わってしまったのが残念だったけど、奈津が変わってしまったから岩井も変わってしまったのだろう。せっかく妻にしか言わない「愛してる」を言ったのに。

花火大会のシーンのラストは美しい情景でした。

この作品を30代の主婦の目線で読んだらどうなんだろうと思いました。また私と感じ方が異なることでしょう。

この奈津が60、70になったらどう過ごしているのか気になります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年11月7日
読了日 : 2013年11月6日
本棚登録日 : 2013年10月30日

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