犬を飼ったことはないし、妄想癖もないし、ゲイの気持ちもわからない。でも面白がれた自分がちょっと意外だ。
割と最初は細かい説明がなくて、読み進めないとわからない仕組みだ。察せはするので詰まりはしないが、あとで真実が明かされて驚かされたりする。
ゲイだというのが全然わからず、途中までいわゆる「ボク女」なのかと思ってた。私の周りではゲイを見かけないからか、全然察せなかった……のは若干私の読みの甘さな気もするが。
犬が喋るというのは、あまりにも飼い主の独りよがりすぎる、といつもなら言いたくなるが、主人公のテッドが妄想癖だということで自然に納得できた。何より、文章が結構おもしろいリズムや言い回ししてて、楽しませてくれるのが良い。
私が気に入っている装幀家の鈴木成一さんと、前から気になっていたイラストレーターの西川真以子さんというコラボに惹かれ、購入した。
西川さんはデッサンしっかりしてるけど、ゴッホみたいに情動的で感覚的な、線の脈打つ感じがイイ。そんなイラストと、キュートな赤と水色との組み合わせが意外で、すごくキマっている。
色彩とその配し方だけで見ると、葛西薫さんっぽいな、という気がするが、参考にしたのかな。(『人生を三つの単語で言い表すとしたら』の装幀、マナスクリーンのポスター)
買ったのは、ほぼ物欲だった気もするが、内容も良かったと思っている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年12月8日
- 読了日 : 2018年12月7日
- 本棚登録日 : 2018年12月8日
みんなの感想をみる