人間不平等起原論 (岩波文庫)

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レビュー : 29
tsukikageyaさん 蔵書B群   読み終わった 

エミール、社会契約論に先立つ一冊。

この本を読むと、ルソーが近代に対して強い悲観を抱いていたことがよくわかる。
人々がかかわり合わずに、肥沃な大地で命を享受しながら豊かに生きていけたら、という宮沢賢治的な理想を語りつつ、「社会」を形成してしまった人々が依存から堕落や無秩序、あらゆる悪徳を生みだしてしまったとする。

その解決法として近代人の知の発展に賭けるということを示唆した一文もあり(69頁)、そのあたりの思想が社会契約論につながっていくとデュルケムなんかは読んでいる。僕も同感である。

ルソーがもつ悲観的な視角は多くの人に共鳴されうるものであろう。しかし、その解決として理性を恃むことは、既に多くの人にとって絶望的な選択肢である。ではわれわれは、不平等の起源を断つために、どうすればいいのか。

レビュー投稿日
2012年9月15日
読了日
2012年9月15日
本棚登録日
2012年9月15日
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