近世大坂薬種の取引構造と社会集団

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  • 清文堂出版 (2006年5月20日発売)
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感想 : 1
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ある先生に自分の研究の話をしたところ、「最近は中近世研究で社会集団という概念がよく使われている」とのアドバイスをたまわった。ターナー? 歴史学や社会学には無限の方法論があって無知な僕は勉強するべきことがたくさんある。

この本は、史料の発掘、精読を通じてまさにこの社会集団なるものの構造を薬種中買仲間・唐薬問屋について解明した一冊である。分野違いであるのでこの研究の研究史的価値や分野における評価はわからないが、史料分析から社会集団の構造を解明する方法論として非常にわかりやすいテクストとして読むことができた。
中近世ではこのような社会集団の構造分析が進んでいるように思えるが、近代ではどうか。近代においては社会の流動性が高まったため、研究するのは難しい。これからの研究者に残された課題である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年10月1日
読了日 : 2013年10月1日
本棚登録日 : 2013年10月1日

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