〆切本2

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本棚登録 : 398
レビュー : 36
制作 : 椎名誠  平出隆  村山由佳  さくらももこ  神近市子  岡本かの子  今井邦子  宇野千代  中條百合子  美川きよ  平林たい子  子母澤寛  川端康成  バルザック  辻佐保子  辻邦生  田中小実昌  澁澤龍子  澁澤龍彥  赤川次郎  中島らも  三浦しをん  野間宏  木下杢太郎  笹沢左保  筒井康隆  江口寿史  松尾豊  冲方丁  井上靖  室生朝子  室生犀星  大庭みな子  伊集院静  ハルノ宵子  タモリ  野坂昭如  堀道広 
hotaruさん エッセイ   読み終わった 

「何があっても、〆切は絶対にやって来る」
そんな真理を、教科書でお馴染みの文豪やその家族、平成の今をときめく売れっ子作家、一世を風靡した漫画家たち、はたまた、〆切破り常習犯の彼らにヤキモキさせられた編集者まで、それぞれの内容で表現した、80篇からなるエッセイ・アンソロジー。

書き手も様々なら、内容も様々。
〆切が迫ってるのに書けない!という苦しみを訴える、身近な人への手紙。
書けなさすぎて、出版社に「カンヅメ」にされた時の話。
はたまた、〆切があるからこそ書けるのだ、という話。
〆切目前に東京から脱走した作家を愛知県で捕獲し、雑誌に載せる謝罪文を書かせたという編集者の手記と、その謝罪文の実物原稿。
ありとあらゆる内容の〆切話が詰まっています。

個人的に特に印象に残ったのは、以下のニ作品。
一つは、漫画家兼エッセイストでもある、さくらももこさんによる、高校時代にデビューを目指してひたすらに作品投稿の〆切に間に合わせていたという話。
結果が載った雑誌をスーパーで買ったけど、その場で見てショックを受けて動けなくなっては困るからと、はやる気持ちを抑えて帰宅する少女の姿が、哀愁あるタッチで綴られています。とてもしみじみとした気持ちになりました。

二つ目は、夫の看取りと葬儀の間にも仕事をこなしたという、小説家の田辺聖子さんの手記。夫の葬儀で思いの丈を述べた喪主挨拶が、とある出版社の依頼で書き起こして雑誌に掲載することになるとは…しんみりした気持ちになると同時に、人気作家さんのある種の「業」みたいなものを感ぜずにはおれません。

あと、すごくびっくりしたのは、タレントのタモリ氏が雑誌連載を「落とした」時に、その雑誌に掲載された「白紙文書」。
タモリさんらしい諧謔的お遊びなのかと思えば、本当に〆切に間に合わなかったらしい。それにしても、テーマが「ハナモゲラ語の思想」って、どんな文章になるはずだったのか…気になってしょうがない。残念ながらそれは載ってないのですが。

森鴎外、芥川龍之介、太宰治、川端康成、ドストエフスキー、バルザックといった、名だたる文豪。
町田康、川上弘美といった現代の人気作家。
赤塚不二夫、水木しげる、高橋留美子といった漫画界の大御所。
はたまた、タレントのタモリやリリー・フランキー。

たくさんの人の個性あふれる文章が一冊で楽しめるので、お得感のある作品集でした。

レビュー投稿日
2018年4月15日
読了日
2018年4月15日
本棚登録日
2018年4月15日
12
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『〆切本2』のレビューへのコメント

tsukiyomi777さん (2018年4月21日)

hotaruさん、初めまして!
フォローと、たくさんのいいねをありがとうございます!とても嬉しいです(^^*)

hotaruさんのレビューを読んで、この本が読みたくなりました(^^*)
少し前にアンソロジーを読んで、遅ればせながらその魅力に気づき笑、次に読むアンソロジーを探していたのです(^^)
良い出会いをありがとうございます!

これからもレビュー楽しみにしています!
よろしくお願いします(*^^*)

hotaruさん (2018年4月21日)

Tsukiyomiさん、こんにちは、初めまして。
コメントありがとうございます。
アンソロジー、同じテーマなのに、違う内容の様々な文体が楽しめて素敵ですよね。
私も、実は最近アンソロジーを読み始めました^_^

これからよろしくお願いします。

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