桜の森の満開の下

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本棚登録 : 526
レビュー : 79
著者 :
hotaruさん 古典   読み終わった 

読む前に想像していた以上に、グロテスクで怪しく、けれどもどこか美しさのある、不思議な作品でした。

鈴鹿峠にて、旅人の追い剥ぎを生業としていた山賊の男。彼はある時、一人の旅人の男を殺し、その妻を、自分の八人目の妻として家に連れて帰ります。
その女は、とても美しく、怪しい魅力に満ちているけれども、残酷な女でした。
女は山賊に命じて、七人の妻のうち、六人まで、彼自身の手で殺させます。何かに取り憑かれたように、新しい妻に従う男。ただ一人、一番醜く、身体に障害のある女だけが、女中として生かされる。
そこから奇妙な三人暮らしが始まり、やがて、女のわがままを機に、三人揃って都暮らしを始めます。
妻は山賊の男に、金目の物だけでなく、人の生首を持ち帰るように要求するようになります。女は集めた生首を部屋中にかざり、首遊びをして…。

毎年男の気をなんだかおかしくさせる、美しくも禍々しい魅力を持つ満開の桜の木。
同じく、美しくも怪しい女の持つ吸引力。
二つの怪しい美が重ね合わされながら、グロテスクで奇怪な物語は展開していきます。

正直、途中で読むのをやめたくなるくらいのグロテスクな描写もあったのですが、人を惑わす桜の怪しくも美しいイメージが、男が内に秘める孤独と相まって、不思議と余韻と魅力を感じさせる作品でした。

レビュー投稿日
2018年3月16日
読了日
2018年3月16日
本棚登録日
2018年3月16日
8
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