差別 (現代哲学の冒険 3)

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  • 岩波書店 (1990年7月5日発売)
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「差別」というテーマについて、5人の論者が論文・エッセイを寄せています。

哲学者でデリダ研究者の高橋哲哉による「歴史・理性・暴力」は、フッサールのロゴス中心主義を批判し、さらに文化相対主義的な立場をとっていたイタリアの民族学者であるエルネスト・デ・マルティーノに対しても、われわれと他者のあいだに境界を引く思考に陥っていたことを指摘している論考です。デリダのフッサール批判は内在的なものでしたが、この論考での著者の議論はもうすこし図式的に感じられます。

哲学者の菅野盾樹による「本質とあいまいなもの―世界制作の倫理」は、種や本質をめぐる哲学者たちの思想に検討をくわえながら、差別的な言説の特質を解明しています。

ギリシア哲学の研究者である種山恭子の「嫉妬」は、プラトンやアリストテレスにおいて嫉妬というパトスがどのように見られていたのかというテーマをあつかっています。

倫理学者の大庭健による「平等の正当化」は、貢献におうじて配分がなされるべきだとする考えかたを、著者自身のシステム論的な倫理学の観点から批判しています。

社会学者の山口節郎による「現代社会と不平等」は、マルクスの論じた「階級」という観点からは不可視であるような現代的な不平等と格差についての考察です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学・思想
感想投稿日 : 2019年6月19日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年6月19日

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