10人の執筆者の論考を収録しています。
浅野智彦や葛山泰央の論考は、社会史のなかの「自我」というテーマを概観している手堅い論考となっています。
また、精神病理学者の木村敏、批評家の三浦雅士、宗教哲学者の上田閑照が執筆者として名前をつらねており、それぞれの観点から自我ないし主体、アイデンティティというテーマについて掘り下げた議論を展開しています。
木村敏は、人間存在論というべき観点から、「あいだ」というキーワードを軸に主体性について独創的な考察をおこなっています。また上田閑照は禅の境地を示す『十牛図』を手がかりに、自閉的な自我を超えた「我ならざる我」の立場へと開かれていく可能性について論じています。
三浦雅士は、大航海時代における西洋と非西洋の出会いについて考察しながら、「自我」の成立という出来事が世界史においてどのような意義をもっていたのかという問題を提起しています。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
政治・経済・社会
- 感想投稿日 : 2019年4月16日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2019年4月16日
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