著者のブログで発表された文章を中心に、大学教育をめぐるエッセイを収録しています。また、著者の勤務校である神戸女学院大学での取り組みについても触れられています。
「文庫版あとがき」で著者は、本書に収録されている文章が書かれていく中でみずからの立場は変化していったと言います。当初は大学教員にあまりにもビジネス・マインドが欠如していることに批判的な立場に立っていた著者は、しだいにビジネスの枠組みで大学教員を評価することの問題点に気づいていったとのことです。
しかし、大学を取り巻く環境の厳しさをはっきりと見据えながら、時代に安易に迎合するのではなく、大学の役割を根本から考えなおそうとする著者の態度は、揺らいでいないように思います。リアルでクールな認識を貫きながら、けっしてペシミズムに陥ることのない著者の精神の強靭さが、本書全体を貫いているという気がします。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
教育
- 感想投稿日 : 2015年5月13日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年5月13日
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