社会の中に生きる個人が、社会についての知識の獲得をめざしあるべき社会像を示す「社会科学」と呼ばれる営みに参与することの意義を、理論的および歴史的な観点から考察した本です。また後半では、同様の観点に立って知識人論が展開されています。
専門用語の使用は避けられており、平易な言葉で説明がされてはいますが、理論社会学の基礎論ともいうべき内容なので、それなりに立ち止まって考えながら読まなければならない箇所もあるように思います。
内田義彦も『社会認識の歩み』(岩波新書)で同様の試みをおこなっていますが、内田が社会思想史をたどることで問題に対する答えを探っているのに対して、本書ではストレートに著者の社会観が語られ、そこから答えが導き出されているように感じました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政治・経済・社会
- 感想投稿日 : 2014年12月29日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年12月29日
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