ガン回廊の朝 上 (講談社文庫 や 2-2)

著者 :
  • 講談社 (1981年6月1日発売)
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1962年に設立された国立がんセンターを舞台に、ガン撲滅のために戦った臨床医や研究者の姿を描いたノン・フィクション作品です。

入道を思わせる相貌で、センターの医者たちを厳しく指導した院長の久留勝と、学閥にとらわれることなく全国から人材を呼び集め、久留たちが働く研究と治療の舞台を整えたセンター総長の田宮猛雄をはじめとして、最先端の医療に取り組む医者たちが登場します。久留を中心にしたカンファレンスでは、各人の診断が厳しく検証されました。彼らは、そのような切磋琢磨を経て、ガンの早期発見・治療の成果をあげていきました。さらに著者は、縦割りの弊害を乗り越える外来部・病棟部・臨床検査部の三部門制や、患者本位の看護の実現のために尽力した総婦長・石本茂の努力にも注目しています。

本巻の冒頭と末尾には、センター総長の役職を務めあげ、自身もガンに倒れることになった田宮の高潔な人格を示す印象的なエピソードが置かれており、強く印象づけられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2018年1月18日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年1月18日

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