想像力: 創造の泉をさぐる (講談社現代新書 1219)

著者 :
  • 講談社 (1994年9月1日発売)
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感想 : 5
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発達心理学の立場から、人間の想像力の発達と意義を考察している本です。

著者は、子どもたちの語る物語や絵などの例を通じて、子どもたちが物語を生み出す想像力をどのように育てていくのかという問いに迫っています。さらに、われわれの日常生活のなかで情報を一定の物語へとかたちづくる想像力が、どのような仕方で働いているのかということを、やはり実験などの例を引きながら説明します。

著者は、こうした想像力が、現実のなかでの経験を構造化・体制化し、理解するために重要な働きを演じていると主張します。ただし、そうした想像力の働きは、同時に恐ろしい結果を招くことがあります。著者は、人びとの想像力が増幅することでデマを生み出した例をあげています。しかし、そうした問題を乗り越えるのも、やはり想像力の働きであると述べられ、想像力によって構造化された物語を客観的に検証する「メタ想像力」の役割への期待を語っています。

大塚英志の著書のなかで本書への言及があり、興味をもったので読んでみました。われわれが想像力によって構造化された物語を生きているという発想や、その物語をもう一度検証しなおすことのたいせつさなど、大塚の評論で語られている問題に対するヒントがあるように思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理学・精神医学
感想投稿日 : 2014年6月29日
読了日 : -
本棚登録日 : 2014年6月29日

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