鈴木大拙のもとで禅を修め、華厳の研究で博士論文を執筆した著者が、華厳の思想について解説している入門書です。
華厳思想については著者自身が専門的に研究をしている分野ということもあり、かなり自由闊達に書かれているという印象を受けます。華厳思想の細部にまで著者の解釈が入り込んでおり、しかもそれを読者に向けて自在に示しているので、自然に本書の議論の流れにしたがって読み進んでいくような感じさえしました。著者の解釈が妥当かどうかはわたくしには判定できないのですが、わたくしのような華厳思想についての知識をもたない読者に向けて書かれた入門書としては、たいへん優れた本なのではないでしょうか。
中国、韓国、日本における華厳思想の受容のあり方についても、入門書としてはかなりくわしく解説がなされており、勉強になりました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宗教
- 感想投稿日 : 2018年7月3日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年7月3日
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