行きずりの街 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1994年1月28日発売)
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主人公の波多野和郎は、教え子だった広瀬ゆかりが行方不明になっていることを知り、東京へとやってきます。ところが、ゆかりの手がかりを求める彼の周りに、かつて敬愛女学園の教師をしていた波多野を学園から追放し、現在は学園の理事の座についている池辺忠賢(いけべ・ただまさ)の影が散らつきます。池辺はかつて、波多野と教え子の手塚雅子との交際を汚らわしいスキャンダルに仕立て、学園を牛耳ることをくわだてた人物でした。

やがて波多野は、学園の事務を一手に引き受けていた角田良幸という男とゆかりが行動をともにしていることを知ります。角田の跡を追っていく波多野の前に、学園にまつわる深い闇がしだいに明らかになっていきます。

「志水節」「シミタツ節」と称される文体がストーリーとあいまって、ハードボイルドな作品世界をつくりあげています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2018年9月8日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年9月8日

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