
ジンメルの「社会関係形成」(Ver-gesellschaft-ung)という概念は、人びとが互いに影響を与え合いながら関係を形成することによって社会が作り上げられている状態を意味しています。ジンメルはこのような発想に立脚することで、人びとの具体的な相互作用に焦点を合わせ、そこから見えてくる世界を描こうとしました。
本書は、「ほんとうの私」を求めることや、「秘密」を持つこと、社会の中の「闘争」の意味、そして『貨幣の哲学』で考察されている、社会における貨幣の役割などについて、わかりやすく解説されています。
ジンメルの入門書ですが、ジンメルの思想そのものを解説した本というよりは、ジンメルの思想を手がかりにして、社会と個人との関係についての著者自身の考察が展開されている本ではないかと思います。
- レビュー投稿日
- 2015年6月24日
- 読了日
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- 本棚登録日
- 2015年6月24日
『ジンメル・つながりの哲学 (NHKブックス)』のレビューへのコメント
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