挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門 (幻冬舎新書 な 2-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年1月1日発売)
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感想 : 15
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本書はジャズの入門書ではなく、「ジャズ道」の入門書だと著者は述べています。たしかに、ジャズに対して求道的なジャズ・ファンというのは存在しています。多くの初心者は、そうした難しくて怖そうな人を避けて、親切でやさしいジャズへの入口をさがそうとするのですが、著者はそうした「親切」はまったく役に立たないと断じます。

その一方で著者は、ジャズにまつわる膨大な薀蓄に埋もれてしまうのも、ジャズ道の正しいあり方ではないとも述べています。ジャズはなによりも音楽であり、「音楽を聴くこと」に徹底してこだわることがジャズ道への正しい入口だというのが、著者のスタンスです。本書のなかには、「ジャズを聴くことは闘いであると知るべし」という心得さえ掲げられています。「オシャレっぽいジャズをちょっとかじってみよう」というような初心者は、ハナからお呼びでないということなのでしょう。

本書では、マイルス・デイヴィスのIn A Silent Wayと、ビル・エヴァンスのWhat's Newの2枚がジャズ道への入り口として薦められています。次に、マイルスとビル・エヴァンスのアルバムがそれぞれ5枚、ブルーノートとECMのアルバムがそれぞれ5枚、さらに「現代の知的ジャズ生活を彩るベスト・アルバム」として、ノラ・ジョーンズやビョークを含む12枚が紹介されています。著者の評価の鍵語ともいえる「知的」ということばが、なにを意味しているのか明確ではないのですが、読者の参考にはなると思います。

著者の紹介の仕方はかなり独断的ですが、「我こそはジャズ道に参究せん」と考える初心者を強引に引っ張り込んでいく一つの方法ではあると思います。もっとも、ジャズ道に入門することさえ果たさず門前に立ちつくしている者としては、ご苦労様という感想しか出てきません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 芸術・デザイン
感想投稿日 : 2018年8月21日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年8月21日

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