「恋愛」が人間の「自然」な感情ではなく、12世紀フランスの宮廷文化にその生誕地を持っているということは、とくに佐伯順子の「恋愛」輸入説とそれに対する小谷野敦の執拗な批判によって、今では一般に広く知られるようになり、「恋愛」を相対化する議論を目にする機会も増えました。本書は、そうしたフランスの宮廷文化における「恋愛」事情について、当時の文学作品などを紹介しつつ解説しています。
「12世紀フランス文学散歩」というサブタイトルを持つ本なので仕方がないのですが、「恋愛」がその後どのような経緯を経て、現在のように広く人びとに受け入れられるようになったのかという経緯についても、知りたかったように思います。
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カテゴリ:
文学研究・批評
- 感想投稿日 : 2016年3月21日
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- 本棚登録日 : 2016年3月21日
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