思想としての仏教入門

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  • トランスビュー (2006年6月3日発売)
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著者の放送大学での講義テキストをもとにしたほんで、仏教学の基礎知識をわかりやすく解説するとともに、さらにくわしく学んでいくための手引きをおこなっている本です。

本書における著者の立場は、特定の宗学に依拠することのない自由な立場であるとともに、またたんに実証的・歴史的な立場にとどまることなく、仏教の「思想」が現代においてどのような問題を投げかけているのかという観点から、議論を展開しています。とりわけ、『法華経』に哲学的他者論に通じる問題を見いだしているところなどは、入門書としてはやや立ち入った考察が展開されているように思います。また、仏教における差別の問題など、現代的な観点からの検討もおこなわれており、幅広い観点から仏教について学ぶことのできる内容になっていると感じました。

著者の『日本仏教史』(新潮文庫)とならんで、仏教を学びたいと考える読者への考慮がゆきとどいた、優れた入門書だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教
感想投稿日 : 2020年3月4日
読了日 : -
本棚登録日 : 2020年3月4日

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