ネタバレなしに感想書くのは無理!な怒涛の展開。
曾国王位継承騒動編終幕。
前回のひきから、始まるクーデター。
なぜ、亜姫を奪還したい黄国の青逸を招いたのか、そもそも危険を冒してまで亜姫をさらった理由は?という疑問が一気に氷解する冒頭。
この作者本当に頭使って書いている。
玉璽がそろう重要シーンを今ここでもってくるのか!と感動した。
そして、腹グロ王子と呼ばれた旦の内面が明かされ、光との今までの回想シーンの真実が描かれる。
けっこうさらっとなんでもやっているように見え、黄国の宰相に『天の龍』と絶賛される旦にとって、兄・光こそが妬み憧れ甘えた唯一の『龍』だったということ。
それなんて『タッチ』?という展開に呼応して、すべてをあきらめてきた光が自身が見込んだ弟に国の運命を託すため動き、愛した女と共に戦う。
っていうか、まさかこの人死ぬとは予想外でした。
どっちかというと、二人まとめて死ぬか、こっちじゃない人が死ぬかだろうなと思ってました。
最後の伏線にいくために、容赦なく人気キャラを退場させる思いきりはすごい。
その伏線とは、その人物を殺した人物が同じように主のために命を賭すという展開。
最初の人物のように、大事な相手を直接救うのではなく、大事な人間がその道をいくために別の人物をかばうという同じ構図をわざと持ってきている。
正直、この人は死ぬだろうとは予測してました。
他のキャラと比べて曾国ではあたまひとつとびぬけて目立ってましたし。
それをどこにもってくるのかということ、作者は最高のシーンを作り上げた。
旦じゃないけれど、この作者にいわるゆる天性の資質というものは無いと思う。
努力して努力して考え抜いた構成だと思っている。
おそらくこの後の展開も最後まで決まっているのだと思うので、悪名高きそして前科ありまくりの小学館の編集部、打ち切りだけはやめてくれ。
おなじみの巻頭プロローグと前曾国王の最後のシーンを見て思ったのが、『真の王』という生き物になってしまった王の『顔』というか表情を作者は書いていない。
臨終や終焉において、亜王も黄王もそして曾王も顔を取戻し、情愛や後につぐものへのメッセージを打ち出す。
そうなると土妃の顔が半分無くなっている眼帯の表現は何かの暗示かも。
巻末お笑いがなかったのは残念だけど、雰囲気壊れないから今回はそれでよかったかも。
- 感想投稿日 : 2015年2月28日
- 読了日 : 2015年2月28日
- 本棚登録日 : 2015年2月28日
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