アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者

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著者 :
tsurumarubozuさん  未設定  読み終わった 

仮想通貨ないしビットコインの説明は最初の1/3で、残りの2/3を使って、ブロックチェーン技術が今後金融界でどのように使われていくか、という展望が書かれています。

ボクがビットコインを知った時は、「通貨が政府から自由になる」という衝撃に胸を躍らせました。もちろんすぐにみんながビットコインを使うような世の中になるとは思わなかったけれど、国家が関与せずに通貨に信用を与える仕組みができたことは、革命的だと思いました。

ただ、ビットコインじたいの将来はバラ色、というわけではないようです。ビットコインに対する信用は、マイニング競争から生まれているわけですが、ビットコインには発行上限があり、リワードは指数関数的に減衰しています。そして2140年頃にはリワードが全く得られなくなってしまいます(少額の取引手数料を除く)。したがって、ビットコインじたいの価格が指数関数的に上がっていかない限り、現在のレベルの報酬は得られないわけで、マイニングのインセンティブがこのまま続いていくかはわかりません。加えて、すでにマイニング競争は寡占化が進んでおり、マイナーの2/3は(電気代が安い)中国の10社が占めています。マイニング競争が完全でなくなった結果、ビットコインの改ざんが発生するという可能性も否定できません。その他にも、法律上の問題や、税制上の問題もあります。

しかし、です。ビットコインの根幹をなす技術であるブロックチェーンは、仮想通貨以外にも使い道があり、それが安価だし安全だしということで結構使えそうなのです。具体例としてデジタル通貨、国際送金、証券決済があげられています。

ビットコインは、誰でも使うことができ、誰でも取引を承認できる仕組みです。(これをオープン型のブロックチェーンといいます。)ただし、誰でも取引を承認できるとなると、競争が十分でなければ、取引を改ざんできてしまう恐れがあります。したがって、取引や承認が出来る人たちを制限して、信頼できる人たちだけでブロックチェーンをやったり(これをクローズド型のブロックチェーンといいます。)、中央銀行ー市中銀行間と市中銀行ー利用者間の仕組みを別にする二重構造を取り入れたりするなど、ビットコインとは少し違った仕組みを使えば、信用を維持できます。各国の中央銀行や金融機関で実証実験が行われており、実用化も遠くないものと思われ、今後の展開が楽しみです。

レビュー投稿日
2018年5月4日
読了日
2018年5月3日
本棚登録日
2018年5月4日
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