幾千の夜、昨日の月

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年12月27日発売)
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本棚登録 : 461
感想 : 86
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角田さんはいろいろな場所を旅している。
知らない場所を旅したいという思いは私にも脈々と流れているので、旅と夜が書かれたこのエッセイ集を楽しく読みました。
違う世界をみるわくわく感、一人である自分に気づく時、旅先であせったり、驚いたり、感動したり、角田さんが豊かに柔らかく感じた様々なことを読んでいると、自分の心がほぐされていくようでした。

夜にまつわるエッセイでもあり、角田さんの記憶の夜たちが自分の前に広がってくるようでとても良かったです。
「月の砂漠」の夜はドラマチックですね。
「祈る男」で祈りへ思いをめぐらす部分も好きでした。
「夜と恋」は切ないなぁ…。かつて二十代の自分が真夜中に切ない気持ちで歩いていたことを思い出しキュンとしました。
夜を見つめている時間、見つめていた若い頃、なんて贅沢な時間なのでしょう。

心に残ったのは、はじめて徹夜をした十七歳の夜が書かれた「出会うのは夜」
今まで話したこともなかった同級生と話し込み、気づいたら朝だったという。
その友人の内面との出会いに、なんだか小説のような世界が広がって素敵です。
気楽に楽しめたのは「時間と旅する」。
長距離フライトの機内の様子を書き(特に機内食)何度も不思議だという角田さんが楽しい(^ ^)。ふっと笑いを誘って上手です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年6月10日
読了日 : 2012年6月10日
本棚登録日 : 2012年6月10日

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