3作品目の「或る少女の死まで」を読み了える。
概要
この岩波文庫に収められた、初期3部作は、大正8年の「中央公論」3冊が初出である。
「或る少女の死まで」は、4人グループで酒場で酒を飲んでいて、ある男と喧嘩をして仲間が傷つける。示談の費用にも、面談にも引っ込みがちな友人たちと、警察署内の体験に嫌気がし、宿を替える。
酒場の女の子も死の床に臥し、同宿だった女の子(ボンタンと呼んで親しんだ)も「私」の第1回の帰郷(「都落ち」と記されている)の後に亡くなっている。
感想
詩作では生活できない状況(今もほとんど変わらない)だった事もあり、成功を願って都会に蠢く青年たちがいて、暗い底辺を成していた。着物を売って「私」の借財返済を助けてくれる友人も描かれる。
当時は男尊女卑があったから、か弱い女の死でもって、心境描写の結末を付ける事ができた。現在では、受け入れられない手法だろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年8月2日
- 読了日 : 2018年8月6日
- 本棚登録日 : 2018年8月2日
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