とっても面白かった!たまたま手に取った本だけど、出会えて良かった。

祖父の死によって身寄りがある人が叔母だけとなり、夏木書店で引きこもりがちになり、不登校になった林太郎。
そんな彼のもとに訪れる学級委員長の柚木、秋葉先輩、そしてトラネコたちが本で繋がり彼を少しずつ変えていく──

実はトラネコのいる本が夏木書店のどこかにあるんじゃないかな、なんてね、考えたんですよ。

本に関して正しい答えを出しにくい真実と向き合いながら、良い読書とは何か、読書家とは何か……林太郎が自分の言葉で少しずつ少しずつ本への愛を紬ぎ、迷宮の人々、そして私たちに教えてくれる。
人と本のつながり、そして人と人との繋がりを大切にしていきたい、そんな気持ちにさせてくれる話だった。さりげない青春シーンも見逃せない。

2018年6月13日

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読書状況 読み終わった [2018年6月13日]
カテゴリ 小説

とっても良かった。過去作にpresentsという短編集を出されているが、同じぐらいに好きだ。

presentsと同じように、人が生まれてから死ぬまでに得るもの・無くすものが描かれている。もちろん、タイトル通り、無くしたものにウェイトが置かれている。

主人公は雉田成子さんという名前で、生き物の声が聞こえたり、亡くなった飼い猫の生まれ変わりにであったり、生き霊になれたり不思議な出来事に出会ってはその現象に遭うことが無くなる。それをきっかけに、物ではないが得るものがあるということは、無くしたものが得たものに姿・形を変えて成子さんのもとに巡ってきたのだろうと思った。

そして成子さんが「なくしたものたちの場所」に来たということは───??
人でも物でも、今ここで一緒に存在していることが不思議に思える。人や物、何でも大切にしたくなる、そんな一冊だった。

2018年5月23日

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再読。読んだのは二度目で昔読んだ時と少し感想が変わった。良かった。

夕子とキュウくんそれぞれが家庭で子としての立ち位置を考えていくことで、夕子は大人にキュウくんは幼くなり、二人の内面の歳の差は縮まった。

見えないものが見える力やライバル(?)の登場についてはよく分からなかったし、詩的というか自分の感情について客観的で理屈っぽい部分があったが、初恋のフレッシュさ・エネルギッシュさを感じることができた。身体うんぬんよりも先に、気持ち的な大事なことがあるでしょうと。

意外と若い子より大人が読んだ方が来るものがあるのかも?! 挿絵も可愛かった。

2018年4月20日

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ようやく私も香月ワールド旅行者デビューです!!
高塔師匠がとにかくカッコイイ!! 色々喋るけど言葉を一番選んでいる素敵なキャラクターです(あと表紙もかっこいい)。
ただの不思議な町! だけでなく、家族の絆もテーマで確かにトトロ的な要素もありました(笑)
続編出る説が本当なら、なんぼでも待ちます!

2018年3月29日

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読書状況 読み終わった [2018年3月29日]
カテゴリ 小説
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