オテル モル (集英社文庫)

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本棚登録 : 674
レビュー : 134
著者 :
そらさん  未設定  読み終わった 

『約束もしないで誰かをひたすらに待ち続ける』

不思議。と一言で片付けて仕舞えばこの物語は終わってしまう。

ただ素晴らしい眠りを提供するためだけに作られたオテルは、客従業員全員が心から安眠快夢を望み、それぞれの思考に影響を及ぼすくらい不安定なバランスで成り立っている。

主人公はまるで自分は無害であるような顔して、静かに狂い、主人公の双子の妹はその矛盾を埋めるようにピエロを演じている。

世界はその世界を覗く人の数だけ広がっている。重なり合った世界は、夢の中でだけ調和を保ち、心の歪みを拭い去っていく。

読み終わった時、すごく満足した。とても良いものを読んだと感じた。わたしが覗く世界も、こんな風に狂っていて美しくて、苦くて優しい。今日の睡眠はきっと特別なものになる、そんな予感がある。


レビュー投稿日
2018年6月26日
読了日
2018年6月26日
本棚登録日
2018年6月26日
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