昔から、おじさんにだけは、よく声をかけられるのです。
あ、ついでに言うと、子どもにも。
「同年代の男性」という、必要不可欠(?)な世代だけがすっぽり抜け落ちているのが
なんともさみしいことですが。。。
大学時代、駅のホームで電車を待っていたら、降りてきたおじさんが
なぜだか腕いっぱいに抱えていたポッキーやらたけのこの里やらを
「食べなさい!いいからいいから。」と押し付けて、風のように去って行ったり
ディズニーランドにデートに行って、彼とふたりでアトラクションの行列に並んでいたら
後ろに並んだおじさんに、乗り物に乗るまでずっと話しかけられ続けて
「なんで知らない人とずっと話し込んでるわけ?」と、あとで彼にふくれられたり。
極め付けは、旅費を切り詰めて、急行で上野から青森まで旅をしたとき
途中からボックス席の向かい側に座ったおじさん。
強面に、スーツの中は派手なシャツ、アクセサリーはゴールドで、
いかにも普通のお仕事じゃなさそうな空気を漂わせていたのだけれど
終点まで乗ると聞いたとたん、靴をぬいで楽にできるよう、床に新聞紙を敷いたり
冷凍みかんやらお菓子やらを、停車時間を見計らっては買って来てくれたり。
おじさんが腰かけたとき、「私、無事に青森までたどり着けるのかな。。。」
なんて思ってしまったことを、心の中で深く深く後悔したのは言うまでもありません。
というわけで、あのとき、あのおじさんはどんなことを思っていたの?
他にもいっぱい人がいたのに、なぜよりによって私にお菓子を?
という疑問がもしかしたら解けるかしら、と
ブクログ仲間さんのレビューで気になっていたこの本を読んでみたのでした。
そんな個人的すぎる疑問は、やっぱり解けなかったけれど
驚くべき熱心さで観察され、こまやかに描写されたおじさんたちの個性的なこと!
明日から、出かけるたびに、あちこちに佇むおじさんから目が離せなくなりそう。
珍しい本を読んでしまったなぁ、と本を閉じ、朝日新聞の夕刊を開いたら
なんとそこにも、なかむらるみさんのおじさん観察イラストが。。。
たまにこういう「ささやかな奇跡」をプレゼントしてくれたりするから
本を読むのって、やっぱり楽しい♪
ちなみに、なかむらるみさんのおじさんイラストは、毎週水曜日の夕刊に
掲載されるらしいです!
- 感想投稿日 : 2013年1月31日
- 読了日 : 2013年1月30日
- 本棚登録日 : 2013年1月31日
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