三浦しをんさんがエッセイの中で、迸るような情熱で
「絶対読むべき作品!」と推していたので
やっと4冊揃ったところで、読んでみたこの作品。
さすが愛と情熱の漫画伝道師、しをんちゃん!
心打たれる名作です!
1年と1ヶ月遅れの高校入学にあたっての自己紹介に
白血病であったことをあっけらかんと笑顔で語ってしまう
天衣無縫な春太郎、
心身ともにふっくらまあるくて、春太郎をやさしく支える翔太、
傍若無人を絵に描いたような、最終形態オタクの真島。。。
という中心人物3人を始め、1年D組の、目立たないクラスメイトにまで
繊細なエピソードが組み立てられ、
温かいスポットライトが当たっていて、すばらしい♪
仲間の描いたオリジナル漫画の回し読みブームが起きたり
誰かの家に集まってテスト勉強やクリスマス会で盛り上がったり
文化祭でのクラス対抗の演劇に異常な情熱を燃やしたり。
もう一度高校生に戻って、このクラスに転入したい!と
叶わぬ夢を抱いてしまうほど、キラキラした1年間が描かれています。
高校2年の春を迎える最終話、
周りを気遣って、嘘がつけるようになった春太郎や
好きな漫画のためなら強い主張もできるようになった俊太や
超然と皆を見下していた自分の脆さをやっと自覚した真島の成長に
眩しさと同時に、なんともいえない切なさを感じながら
得ることは喪うこと、喪うことは得ること、と知り
彼らの「フラワー・オブ・ライフ」をつぶさに見ることができたことに
深く感謝したくなる作品です。
- 感想投稿日 : 2012年7月18日
- 読了日 : 2012年7月17日
- 本棚登録日 : 2012年7月17日
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