素敵です!オススメです!
古書店で105円で買ったことを土下座したくなります!
父の転職に伴い、小石川からお花茶屋に引っ越してきた小学5年生の香な子。
暇さえあれば本を読んでいて、
クラスメイトのとんちんかんな行動には、心の中でシニカルなつっこみを入れ、
5年2組の女子の中では8番目にかわいい、ダイエットすれば5番にはなれる、と
奥ゆかしくも冷静に自己分析できちゃったりする。
この香な子も傑作なのだけれど、
お花茶屋お嬢様軍団(命名by香な子)No.1美少女の町野さんに熱愛される、
香な子の隣の席の男の子、コーモリが素敵すぎて!
ジブリの『崖の上のポニョ』の宗介が育ったらこんな感じかな、と思わせるような
さりげないやさしさを秘めた男気に、凛々しい眉毛♪
娘の初恋の相手がこんな男の子だったら、諸手を挙げて応援するのに!
(もう手遅れなのがかなしい。。。)
よそ見をして先生の注意を受けた香な子のピンチを機転とユーモアで救ったり
往復2時間かけて小石川の塾に通う香な子の帰る時間に合わせ、
偶然を装って乗り換え駅から合流して夜道を家まで送ったり
「本を読むのも楽しいけど、本について山田と話すのも楽しいもんな」
「だからおれは本を読むんだとおもう」なんて言っちゃったり
もう、きゅんきゅんが極まって、気を失ってしまいそう。
上司の不正に巻き込まれて転職を余儀なくされても、腐らず呪わず
「お父さんの未来にはいつもカナがいる」と香な子をおおらかに見守る父や
重い病気を抱えながら、入院先のベッドで
11歳のユウキ、12歳のユウキ、と息子の未来の似顔絵を描き続けるコーモリの母を始め
ふたりを取り巻く家族や先生も、とてもいい。
香な子が、生まれつき持たされた三つの不幸だと思っていたうちのひとつ、
よりによってクリスマス・イヴという、誕生日。
11歳になるその日に、コーモリがプレゼントしてくれた言葉に
香な子は泣いていないのに、いい大人の私がぽろぽろ泣いてしまう
爽やかで、まっすぐで、いとおしい物語です。
- 感想投稿日 : 2012年11月8日
- 読了日 : 2012年11月7日
- 本棚登録日 : 2012年11月8日
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