まろん ねことお菓子と本の国

「もう、この子ったらほんとに本の虫なんだから!」
なんてお母さんにため息をつかれた子ども時代を過ごした方なら
共感せずにはいられない物語です!
まさに、やってくれたな、小路さん♪ という感じ。

古今東西の名作の中に侵入して、物語を勝手に改変してしまう「話虫」。
何を隠そう、私も生粋の(?)話虫です。
ひ弱で、入院したり、退院しても学校を休んだりという毎日だったので
とにかく悲しい結末の物語に弱くて。
『人魚姫』を始めとして、これまでいったい幾つの物語を頭の中で改変したことか。
ディズニーが映画『リトル・マーメイド』で人魚姫を幸せにしてくれた時には
「ナイス、ディズニー♪ でも、私なんかもっと昔に幸せにしてあげたんだから」
と、密かに誇らしく思ったりしたものです。

この作品に出没する話虫は、あの名著『こころ』に
自分の身内を勝手にキャスティングするばかりか
作者である夏目漱石まで物語の中に引きずりこむ始末。
誰が話虫なのか突き止め、筋を修復すべく物語世界に派遣される
馬場横町市立図書館司書の糸井くんも、苦労が絶えません。
イマドキの青年らしく、彼が『こころ』に召喚する意外な人物には
話虫を自認するブクログ仲間さんたちなら、きっと大笑いすること間違いなし。

文学史に残る名作だけれど、うじうじネガネガ過去に拘っていないで
もっと未来を見ればいいのに。。。と今ひとつ好きになれなかった『こころ』。
話虫が明るい方向へと改変したくなる気持ちもわからなくはないなぁ
と思ってしまう私には、名作を名作として保存したい気持ちと
心を通わせた登場人物たちを自死という結末から逃れさせたい気持ちの
板挟みになる糸井くんの気持ちもまた、よくわかるのです。

ですから、甘いと言われようと、こんなことが許されるのかと言われようと
糸井くんの決断には盛大な拍手を送ります。
物語の中の物語、を面白おかしく描いているようで
親や学校や環境によって作り上げられたかのように感じがちだけれど
それまでの地平から、何を目指してどう飛び立つのか
そこからがあなたの物語なんだよ、と
力強く明るく、背中を押してくれる素敵な本です。

2013年6月12日

読書状況 読み終わった [2013年6月10日]
カテゴリ さ行の作家

とうとうきてしまった最終巻!

手塚慧を広告塔とし、マスコミを巻き込み、良化委員会への無関心層の反発を煽る頭脳派作戦があると思えば、

テロの参考にされた(と決めつけられた)本の著者を守るために、嵐の中を撃たれながらも走る郁と堂上がいて、

それを、なんの見返りも期待せずに助けるトラックの運転手や、書店の店長やデパートのおばさん達がいて。

そして、エピローグ、新隊員に「アホか貴様はッ!」とゲンコツを落とす「堂上教官」に、にんまりする。

「書いて楽しんだ」と言ってくださった有川さん!
私も、ちゃんと「読んで楽しみ」ました!

2012年5月4日

読書状況 読み終わった
カテゴリ あ行の作家

郁の「王子様卒業宣言」に、小牧といっしょに爆笑の発作をおこし、

よりによって図書館で、抵抗できない相手に不埒な行為を働く男に、(脳内で)最高速度のねこパンチ&キックを繰り出し、

今、この瞬間にも存在する、私たちの気持ちからかけ離れた、お仕着せの「差別用語」に歯がゆさをかみしめ、

女子だけの職場にありがちな、勘ちがいもはなはだしいヒエラルキーに立ち向かう郁の啖呵に拍手喝采し、

玄田隊長の男気に胸を打たれ、

稲嶺指令に、図書隊といっしょに敬礼しながら、カミツレの花束を渡したいと心から願う、
図書館シリーズ第三弾。

2012年5月4日

読書状況 読み終わった
カテゴリ あ行の作家

図書隊のみんなと、もし知り合えたら。。。

郁・・・「王子様」関連の話題を振って、火を噴くほどに赤面する様子や、鍛えあげた腹筋から叩き出す腹式呼吸の悲鳴を楽しむ。

堂上・・・「背がのびる」グッズをプレゼントして、「このアホウ!」と、怒鳴られたい!

小牧・・・にっこり笑った顔のまま、正論で滔々と諭されたい。

手塚・・・兄の慧の話題に持ち込んで、すねたりいじけたり、強がったりするさまを、つぶさに観察する。

柴崎・・・本音でつきあえるまでなんとか仲良くなって、ポーカーフェイスのうしろに隠した毒舌と、ちょっとかわいい愚痴を聞きたい♪

玄田・・・男気あふれる突拍子もない決断に、振り回されたい。

という妄想はともかく、図書隊の面々のバックグラウンドが明らかになって、ますますおもしろい第二作!
アニメ化の際、カットされてしまった小牧と毬江ちゃんのエピソードも見逃せません。

2012年5月2日

読書状況 読み終わった
カテゴリ あ行の作家

好きすぎてなかなかレビューを書けなかったけど、映画化記念に。。。

とにかく、本を守るために体を張って戦う!っていう設定だけで、「まかせて!一緒に戦うわ!」という気持ちにさせられてしまう。

テンポのよい会話や、「キャラが立ってる!」という言葉をギリギリまで具現化したような登場人物や、ミリタリーな状況下での「恋愛フルスロットル♪」ぶりに軽く見られがちだけれど。。。

言論の自由、表現の自由、生き方の自由など、人がそれぞれいちばん大切にしているものを守るために、自分のやり方で戦うことへの賞賛に満ちた名作だと思います!

2012年5月1日

読書状況 読み終わった
カテゴリ あ行の作家
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