家族という病 (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2015年4月24日発売)
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本棚登録 : 102
感想 : 10
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Amazonのレビューが低かったので、逆に興味を持って読んでみた。安かったし。

基本的にはこの本は著者の決めつけだけで成り立っていて、データの裏付けなども無ければ、周囲の声や自分にとって都合のいい知人の話だけを切り取って構成されているので、びっくりするくらい内容が偏っている。

全てにおいて結論ありきで書いているので、都合の悪い話や数値で示すべき事柄などは一切出てこない。そして自分の思い込みを一般論として語るから質が悪い。

そら酷評されるわ。最後の家族への手紙も、別に家族への手紙でも何でもなくて、家族のエピソードを書いてるだけだし。なんだそれ、って感じです。

いくつか首肯出来ることもあるのよ。「家族だからといってなんでも分かるわけじゃない」とか「家族だって知らないことはたくさんある」とか。そのとおり、と思うよ。

それらの主張を全て「家族を否定する」ためだけに語られていることが非常に残念。まあそういう本だから仕方ないのだけど。

僕も家族のことを何よりも大事にして家族が全て、みたいな考えは嫌いだし、そういうのを押し付けてくることに対しては嫌悪感すら覚える。まあ、僕の母親なんだけど。

そこは僕も大いに賛成するのだけど、そこからなんか「だから家族はダメだ」的な方向に持っていくのはどうかと。楽しい、幸せな家族もたくさんある。あんたの狭い世界だけで語るな、って思うよね。

結局はね、家族だからと言っても他人なのは間違いないのだから、相手のことを「自分とは異なる存在」であることを認めて、尊重する、ってことが大事だと思ってる。それは家族だから、とか家族じゃないから、とかそういうことは一切関係ないよね。相手が『対等な人間』かどうか、ということだけ。

そういう意識を誰に対しても持ち続けることができれば、全て解決される話なんじゃないかな、と思うけどね。まあ自分より下の人間を見つけようとする人間、自分の中で人間の上下をつけようとする人間って多いから、そこに巻き込まれないようにすることも大事だけど。

この著者も多分自分と違う考えを持っている人間を見下しているんじゃないかな、と感じる。それを見透かされるような本の書き方だから、あかんのだろうなーと思うよ。

まあアレだ、斜め読みで十分だと思います。僕もほとんど斜め読みだし、ちゃんと読んでもあんまり内容は入ってきません。文章上手くないし。

斜め読みして、自分の考えと同じところ、明らかに異なるところ、そういうところだけを読み取れば十分な本じゃないかな。新たな考えとか知識とか発想とか、そういうものはほぼ得られないと思っていいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2018年9月24日
読了日 : 2018年9月24日
本棚登録日 : 2018年9月24日

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