優しい語り口調で、さらっと読める作品論。
「講義」と銘打っているからか、途中であちらこちらへ脱線もする。
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『ローマの休日』の魅力が
オードリーの魅力に大きく因っているという見解には異論なし。
そして、そのオードリーの魅力は「身体性」にある、
という意見が印象に残った。
「身体性」という言葉で表されているのは、一つには、
静止画・無声映画からトーキー映画に移行していく時代にあって、
外見だけでなく、しぐさの一つ一つまでが記録される映画俳優が
与える印象には、動きのイメージが伴っているということ。
もう一つには、三つの身体――
女優として駆け出したばかりのオードリーの身体、
モンロー、グレース・ケリーと並ぶスターとしてのオードリーの身体、
そしてアン王女としての身体が、渾然一体となって私たちの目に映るということ。
さらっと読んでいるので、多少の曲解が含まれているかもしれませんが。
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シナリオがシンメトリーの構造になっているのは、
何となく引っかかっていたけれど改めて図式化↓されるとなるほど納得。
ニュース映画
◆宮殿(窮屈さ)
◆◆ジョーの部屋(出会い)
◆◆◆ローマでの冒険
◆◆ジョーの部屋(別れ)
◆宮殿(覚悟と決意)
記者会見
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【気になる作品】
[ステラ・ダラス]
[裏窓]
『ザ・フィフティーズ』
アメリカの1950年代のあらゆる側面を描き出した本
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2012年5月24日
- 読了日 : 2012年5月18日
- 本棚登録日 : 2012年5月16日
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