四日間の奇蹟 (宝島社文庫 347)

著者 :
  • 宝島社 (2004年1月1日発売)
3.40
  • (382)
  • (753)
  • (1508)
  • (226)
  • (56)
本棚登録 : 6182
感想 : 817
5

第1回このミステリーがすごい!大賞の受賞作。

評価は色々あるようですが、個人的には、とても引き込まれました。面白いです。音楽用語や脳医学用語が多用されているにも関わらず、情景が目に浮かぶくらいグイグイ読ませてくれます。

また、主人公の敬輔や、真理子の言葉で語られる「捨てきれない理想への執着」、「自己犠牲の精神とその葛藤」といった心の動きにとても共感しますね。

軸となる出来事も描かれるテーマ
も、1つ1つはよくあると言えばよくあります。ただ、それら多くのテーマが物語の中にしっかりと織り込まれ、終盤に向かうにつれ、テーマに対する作者の主張、答えが明確になっていく(しっかり回収されていく)。それを読ませる文章力、構成力が素晴らしいと思います。

視点によっては、このような作りが寄せ集めに見えたり、目新しさを感じなかったりするので、評価が割れるんでしょうね。あと「ミステリー」という括り方の問題。本作は決して推理小説ではないので、そこは注意です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学(作者名:あ行)
感想投稿日 : 2013年6月4日
読了日 : 2013年6月3日
本棚登録日 : 2013年6月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする