10枚書く力とは
心と頭と身体が三位一体となった
究極の人間力である。
10枚書けてはじめて、文章を書けると著者は認定する。
その力を身につけるためのノウハウ本である。
印象深かったのは次の3点だ。
一つ目は「起承転結の転から発想すること」
これは言いかえれば、驚きであり、感動である。
心に響く文章とは
こうした驚きを核に据えた文章なのである。
ゆめゆめ文頭から書き始めてはならない。
胸に刻もう。
二つ目は「意味の含有率を高めること」
ちょっとわかりにくい表現であるが
頭でイメージしたものを文章に落としていく
と考えたらどうだろうか。
それがビジュアルなら、ずっといいと思う。
絵を思い浮かべて、それを文章でスケッチしていく。
これを胸に刻もう。
三つ目は「文章に身体性を盛り込むこと」
これはその人らしい個性と言ったらいいのだろうか。
著者は立ち位置にこだわっていた。
一人称か、三人称か。
一人称であれば、例えば同じ物事を見ても
人によって感じ方が違うだろう。
例えば社内で化粧する女子高生。
40~50代の女性なら眉をひそめるかもしれない。
同年代の女子高生は、どんなコスメを使っているのかが気になる。
その本人になってみれば、実は彼氏を別れた涙を隠そうとする
化粧なのかもしれない。
立ち位置で物の見え方は大きく変わる。
そこをどう見るかが、個性であり
その人が生きてきた人生が問われるのだ。
さまざまな書く力を高めるノウハウは書かれているが
書く力の奥底には、
心と頭と身体を全身全霊でこめるための
人間力、自らの生き様が
問われていると感じた。
- 感想投稿日 : 2011年10月12日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年10月12日
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