
20190110
『社会契約論』のルソーの著作。『エミール』も読んでみたい。今回はその2つの基礎となる人間の不平等について詩的かつ論理的に述べている作品。
エッセンスとしては、粗野な平等感の原始社会が、技術や言語の発展によって、社会が生まれ、搾取が起こり、それを法律・政治で正当化するプロセスによって初めて不平等が起こるという要旨である。
人間の理性が、平等感を腐敗させるという点をルソーが述べている点は今でも鮮やかな議論だろう。取引可能でないものですら市場化する現代社会では、公平感や価値観は腐敗してしまう。
//MEMO//
フランス革命の基礎となったルソーの著作。
専制政治が不平等の温床となっているため、人間が意図しない市場主義が最も公平=平等な結果に落ち着くのか、という理論を古典で裏付けたい。
根源的人間=平等
↓
王権=不平等
↓
国民が主権を持ち、国家を作る。国家は法治するのみ。
国民が主権を持つ社会契約をイメージするためには、根源的人間の欲と義務を学ぶ必要がある。
言葉の使用
憐れみの情念
・社会の発生
生存、自己保存の欲求
社会の中で生きる
家族、私有財産の発展
・食料=小麦
・生活=冶金
↓
社会の貧富の差、才能の差
↓
不平等感情
・嫉妬
・強欲
・支配
↓
法律、万民法
↓
権力の腐敗、政府の腐敗
本来、政府は国民との契約のもと成り立つ
- レビュー投稿日
- 2020年10月4日
- 本棚登録日
- 2019年1月1日
『人間不平等起原論 (岩波文庫)』のレビューへのコメント
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