高村光太郎詩集 (新潮文庫)

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本棚登録 : 378
レビュー : 31
著者 :
制作 : 伊藤 信吉 
tymyyboyさん 文学   読み終わった 

「僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため」

新成人、新入生、新社会人のみならず、すべての人にとって胸に響いてくる詩。
決して押し付けがましくないのは、
高村光太郎が自分自身に対して書いた詩であるからなのだろうか。

人生に道は存在しない。
レールのない未来を手探りで、時に悩み、時に挫折し、時にやけくそになりながらも前に進んでいく。
具体的ではない壮大な夢や希望、少年時代からの想いを頼りに暗闇の中を進んでいく。

街灯もない真っ暗闇の道程。
押しつぶされそうになったその時、「父」が私を救ってくれる。
それは文学であるかもしれないし、芸術であるかもしれないし、人生の師匠かもしれない。

とにかく人は長い道程をひとりで進まなければならない。
一歩一歩、淡々と。
人は孤独だが、父なる自然、絶対的なるものを意識することにより、前に進めることがある。


適切な時に、適切な場所で、この詩に出会えたことに感謝。

レビュー投稿日
2012年9月29日
読了日
2012年9月29日
本棚登録日
2012年9月29日
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